「きく」という言葉には2種類の使い方があるとよく言われます。
「聴く」と「聞く」です。
二つ合わせて「聴聞」と書きます。
さて、上の「聴く」と「聞く」の前に「聴聞」の意味はなんでしょうか?
辞書によりますと、説教や演説などを耳を傾けて聞くこと、と書いてあります。
そして「聞く」は、耳で音や声を感じとる。たずねる。従う。
「聴く」は、耳を傾け、注意して聞き取る。となっています。
どちらかと言えば、「聴く」の方が積極的かつ主体的に「きく」イメージがあります。
ですからコーチング手法の中では、「聞く」から「聴く」へと言われます。
しかし、そう単純に片付けてはいけないようです。
「聞く」の意味を深堀すると
「相手から勝手にしのびよってくる」
「相手から勝手に伝わってしまう」
「相手から勝手に調和してしまう」
という受動的なアプローチの意味ではありますが、つまり積極的な「聴く」をしなくても
勝手にわかっていってしまう、という考え方です。
これを「聞」の思想と言います。
つまり「聴く」とは左脳型であるのに対して、「聞く」は右脳型でもあるのです。
心の状態を平穏にし、周りを観察し、対話するだけで、「勝手に」情報が伝わってくるというものです。
そのためには、聞く側の心の状態がものを言います。
心を安らかにし、自分自身と対話し、周りの情報に身をゆだねられるような状態です。
そうなると相手の声なき声も勝手に「聞ける」ようになってきますので、
相手の言葉の情報だけでない情報も得られるようになります。
それを物事の本質がわかる、といっても過言ではあります。
そのためにも、自分の心の在り方というものが重要になってきます。
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