賃上げを事業戦略に:各種制度を組み合わせ戦略的活用

2025年6月号

今!経営者が押さえておきたい賃上げを事業戦略に:各種制度を組み合わせ戦略的活用

  1. 2025年春闘を受け、多くの企業が賃上げを行っていますが、中小企業の中には 「賃上げの原資がない」「助成金の仕組みが複雑で使いこなせていない」という 声も聞かれます。そこで本号では、補助金や助成金・税制等支援制度を戦略的に 組み合わせ、賃上げを事業戦略として行う為の事例や実務ヒントをご紹介します

戦略的な賃上げの計画を作る


 

基本の考え方

賃上げの原資を獲得するには、以下の3つのアプローチが考えられます

実務視点のポイント

  • ✅各支援策の賃上げにまつわる条件や要件・達成タイミングを確認し、連携スケジュールを組む
  •  賃上げの前にまず人材戦略をしっかり作り、就業規則・給与体系の改定も含めて準備する。
  • ✅同一経費への助成金と税制控除の二重適用は不可

スケジュールを立てる

賃上げを実行する前に、まず現状の人材課題を整理(離職率や採用・職場環境の課題、人手不足の状況、賃金規定や給与体系の見直し)し、その改善のために必要な賃上げや生産性向上・業務改善の施策を考える。
そのうえで、賃上げ+事業戦略の全体スケジュールを立てる。その際、各支援策の賃上げ要件や達成条件の確認、また就業規則や給与体系の整理などを忘れずに行う。

組み合わせて活用できる支援策


まずは、要件を押さえていればほぼ確実に支給される助成金で人件費の底支えや設備導入の一部に充て、次の段階の成長投資には、採択制だが支援額が大きく大規模投資も可能な補助金を活用し、最後に利益を確保するための税制を活用するという流れを基本にして組み立てる。

業種別・モデル事例


 

モデル事例:製造業(機械加工・従業員20名)

人材確保の施策をしたうえで、事業拡大の投資し、売上向上に繋げる戦略

モデル事例:サービス業(個人経営の飲食店・従業員8名)

賃上げと併せてDX化を進め、利益率向上に繋げる戦略

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