今!経営者が押さえておきたい
2026年DC改正を踏まえた退職金・福利厚生再設計
~企業型DC・iDeCo・中退共、自社に合う制度は?~
賃上げや人材確保が叫ばれる今、今月は「中長期の人材定着」「退職金負担の見える化」に取り組んでみませんか? 2026年は企業型DCやiDeCoの大規模な法改正が続きます。
- 退職金制度は「採用力や将来の資金計画に直結する重要な経営テーマ」
- 改正をきっかけに「自社の制度が時代や実態に合っているか」今こそ総点検してみましょう
■ 2026年DC改正&各種制度の整理
| 制度 | 方向性 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 企業型DC (確定拠出年金) |
採用・定着を強力に強化したい | 毎月の定額掛金負担のみでコントロールしやすい | 導入時に投資教育や制度説明が必要 |
| マッチング拠出 (企業型DCのオプション) |
会社負担を抑えて福利厚生を厚く | 従業員負担の拠出でメリットを生み出せる | 活用には従業員のリテラシーが必要 |
| iDeCo/iDeCo+ (個人型/年金プラス) |
小規模企業、企業型DC未導入の会社 | 会社負担なし ※iDeCo+なら会社が掛金を上乗せ可能 |
企業型DCに比べ会社制度としての福利厚生感は弱い |
| 中退共 (中小企業退職金共済) |
シンプルで分かりやすい制度を作りたい | 信頼性が高く、導入が容易。新規加入時の掛金助成などもある | 一度拠出した掛金は原則会社が自由に取り崩せない。 |
| 社内退職金制度 (預金・保険等で原資準備) |
自由な支給ルールを設計したい | 柔軟に制度設計可能。将来の原資を計画的に準備できる | 規程の整備、将来の支払原資確保不安、保険料負担や税務処理など |
| 退職金なし (給与・賞与上乗せ) |
短期的な手取り額を最重視する | 従業員にとって「今の手取り増」が分かりやすい | 長期的な定着策としては効果が弱い |
📊 採用・定着効果/財務リスクでの比較
企業型DC(マッチング拠出) / 中退共
将来の追加負担なし。安定感は抜群。
iDeCo+
小規模企業でも導入しやすい手軽さ。財務リスク低い。双方が調整しやすい。
社内退職金
効果高い。財務リスク高い。将来原資リスクあり。
退職金なし
効果低い。固定人件費リスク+長期定着効果は弱い。
■ 2026年DC改正のポイント:さらに使いやすくなった各制度のメリット・注意点は?
マッチング拠出制限撤廃
「従業員掛金は会社掛金を超えられない」制限を撤廃。会社負担を増やさず、従業員の自発的積立を後押しできる。
加入可能年齢引き上げ
65歳未満→70歳未満へ引き上げ。60歳以降の継続雇用やシニア人材の資産形成支援に。
共通拠出限度額引き上げ
他制度との合算上限枠新設。iDeCo+企業年金等で月額6.21万円に引き上げ。福利厚生制度全体を見直す好機。
■ 制度選び&見直しの実務チェックリスト
保険等を活用した「退職金原資の準備」はあくまで原資の準備手段であり、それ自体が退職金制度ではありません。「誰に・いつ・いくら・どのような条件(自己都合/会社都合)で支給するのか」を明確に、退職金規定と資金計画や税務処理をセットで整合性をとった全体設計を行いましょう。
▼ 制度選びで見極めるべき「4つの判断軸」&よくある注意点
⚠️ よくある注意点
- 「節税になるから」だけで制度を選ばない!
※一度作ると簡単にやめられない。全体像を先に設計 - 保険を活用する場合の整合性を確認!
ー保険料負担・解約返戻金のピーク・税務処理が「退職金支給時期」とズレていないか? - 専門家へ必ず相談!
・労務トラブル(不利益変更)を生まないよう必ず顧問士業等へ相談
■ 退職金制度を見直す前に確認したい6つのポイント&見直しの3ステップ
📋 退職金制度を見直す前にまず確認:自社の現状を把握!チェックリスト
- ⬜ ① 明確な「退職金規程」がある
- ⬜ ② 支給対象者(雇用形態)、算定基準(勤続年数等)、自己都合・会社都合による違いを規定
- ⬜ ③ 「役員退職金」と「従業員退職金」の規程や原資を分離
- ⬜ ④ 今後5~10年の退職予定者数と、必要な概算支給額を試算
- ⬜ ⑤ 中退共・企業型DC・預金・保険等の「原資の準備方法」の全体像を整理
- ⬜ ⑥ 制度変更(引き下げや移行)を行う際、従業員にとって「不利益変更」にならないか確認
🚀 6月からはじめる3ステップ
就業規則、退職金規程の有無、現在加入中の中退共・企業型DC・保険商品の契約内容、退職金用の預金積立状況などをすべて洗い出し
今後5~10年の退職予定者と概算退職金額を試算。原資準備手段〈預金や保険等〉で賄えるか?ギャップを確認
各制度を比較し、自社の財務状況と採用戦略に合う制度を選定。導入・変更時は、従業員への丁寧な説明、規程改定、専門家確認を必ずセットで実施
■ 直近の補助金カレンダー(夏前に確認したい)
◆ 省力化投資補助金一般型
第7回 7月下旬〆切予定人手不足に悩む中小企業の省力化投資 ※オーダーメイド性が必要。上限750万~1億(従業員数別)、第4回採択率69%と高い
◆ デジタル化・AI導入補助金
第2次 6月15日 / 第3次 7月21日〆切業務効率化・AIツール導入。リニューアルされたが基本は変わらない。第4次 8/25〆切も予定あり
◆ 新事業進出補助金
第4回 6月19日〆切新規事業を検討中の企業向け、最大9,000万円。現行制度の最終回
◆ 東京都:明日にチャレンジ
第2回 7月3日〆切都内中小企業の設備投資等。最大2000万円(小規模1000万円)
◆ 東京都:躍進的な事業推進の為の設備投資支援事業
第13回 7月23日〆切都内に本店があれば近隣県設置の設備でも可。最大億円。
各都道府県・市区町村でも補助金の公募が順次始まっています。お住まいの地域の補助金情報もあわせて調べてみましょう。